A BOOK OF MAGICAL WORLD (連載その4)

第2章 TABLE MAGIC

 あなたがマジックを人に見せるときに、最も手軽に演じることのできるものは「テーブルマジック」です。
 テーブルマジック(クロースアップマジック)は、ポケットに入るもので、またコインや紙幣などその場にある身近なもので場所を選ばずに演じることができます。
 あなたは、喫茶店やレストラン、公園のベンチなどで鮮やかに奇跡を演出して見せることでしょう。
 第1章でも述べましたが、マジックはひとつだけ演じてはいけません。
 コンビネーションが大切です。相手に考える間を与えてはならないのです。そこでストーリーが必要となるのです。
 マジックには、そのもの自体にストーリー性が取り入れられているものもありますが、ほとんどのマジックは現象が中心です。そこにあなたがストーリーという『命』を与えるのです。
 ドラマや映画には起承転結があります。
 オープニングはまず相手の目を引き付けるような事件が起こり、観客をそのストーリーの中に入り込ませてしまいます。
 あなたは、最初にスマートで鮮やかなマジックをするべきです。
 また、客層や場の雰囲気によって演じるマジックを選ばなければいけません。
 子供に対しては分かりやすくストーリー性のあるものを。年配の方に対してはカードのテイクワンは控えるなどの配慮が必要です。
 一枚選んでもらったカードを当てるというマジックは方法がいろいろあり、あなたは幾通りもの方法をマスターしていることでしょう。
 しかし、客から見ると現象は同じなのです。
 異なった技法を用いて同じ現象を演じるよりも、同じ技法でも演出を変えて演じるべきです。
 自己満足でマジックを演じてはいけません。
 マニア受けする技法はマニアのために取っておきましょう。
 テーブルマジックは観客と直接に接することが多いものです。
 ステージマジックでは観客との間に物理的な空間と精神的な空間が開くものですが、テーブルマジックでは観客と1対1という形になりやすいのです。
 多くの観客はマジックを自分の知識に対する挑戦であると受け止め、タネを見破ってやろうという『対決』の姿勢をとることでしょう。
 それは、自分の判断に過剰な自信を持っている大人に多く見られます。
 彼にとってあなたは、彼の観察力や判断力が時には正しくないのだという、気に入らない忠告者なのです。
 しかし、あなたは観客の挑戦をまともに受けて、同じ土俵に上がってはいけません。
 観客があなたの指示通りに動かなくても、あなたの予期しない行動に出たとしても怒ってはいけません。
 あなたは観客に『非日常の世界』を提供するエンターテイナーなのですから。
 観客を見る目を養うことです。
 観客によって演じるマジックを変えることです。
 観客と一緒にマジックを楽しむといった態度を取ることです。
 あなたは練習により自信をつけ、自信たっぷりに、しかし謙虚に演じるべきです。
 「私はこんなにじょうずなんだぞ」というような言動は決してしてはいけません。
 それは観客の反感を買うだけです。
 観客はあなたの敵ではありません。
 『対決』を望む観客に対しては、何か簡単なタネ明かしをして、一緒にマジックの面白さを楽しむという方向に持っていくべきです。
 そのような人ほど、本当はマジックが好きなのですから。

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