A BOOK OF MAGICAL WORLD (連載その5)

第3章 STAGE MAGIC

 ステージマジックがテーブルマジックと異なる点は、それが大人数を対象にしていることと、演技の場にステージが必要なことです。
 そして根本的に異なる点というのが、ステージマジックは全て虚構の世界における幻想を演出するものであるということです。
 ステージマジックのセットは、ほとんど人為的で非日常的なものであり、それらの道具を用いることでマジックの『不思議の国』を創り出すのです。
 このことから、ステージマジックにおいては『演出』が非常に重要な位置を占めているのです。
 ステージマジックは大別すると①スライハンド②プロダクション③イリュージョンに区分することができます。
 スライハンドには、カード、ボール、リング、シンブル、ウォンドなどがあり、熟練したテクニックにより『不思議』を演出するものです。
 これは道具をほとんど用いませんから、見る者に与える衝撃はかなり大きいものです。
 あなたは十二分に練習を重ね、自信たっぷりの余裕を見せながら演技をしなければいけません。
 観客は失敗による種明かしを期待しているのではなく、不思議な、感動的なマジックを期待しているのです。
 磨き抜かれたテクニックの演技の途中にトリックを入れたりして、より不思議な現象を創り出すと、効果はさらに大きなものとなるでしょう。
 プロダクションで典型的と言えるのはピジョンでしょう。
 ダブプロダクションともいいますが、チャニング・ポロックによって世界中にブームを巻き起こしたこのマジックは、シルクなどを用いて生きた鳩が次々と出現するのです。
 このほかフラワーや傘、キャンドルなどがこれにあたります。カードやボールも見方によればプロダクションに入るかもしれません。
 道具を使って物を出すだけでは『マジック』とは言えません。
 『マジック』は現代科学を超えるものなのですから、ネタモノにテクニックを加えて『仕掛け』だけでは不可能な現象を演じるべきです。
 イリュージョンは『幻想』の意味ですが、日本では『大ネタ』と言われるものです。
 これはステージマジック特有のもので、大きな道具を使って演じるものです。
 『トリック』に負うところが大きいのですが、演出の仕方や組み合わせ方により、ムードを創り出すのには最も適しています。
 スクリーンに映し出された映像が現実のものとなったり、人間が宙に浮いたり、切断されたり、消滅や出現が可能となり、夢の世界を演じることができるのです。
 しかし、このマジックも『トリック』だけに頼ってはいけません。
 トリックでの限界は、訓練と体力の限界に挑戦することで補うのです。
 ジグザグガールは体力の限界への挑戦と言えるでしょうし、スピーディーな人体交換などは、まさに訓練の美と言えるでしょう。
 これらのほかに、コメディーマジックがありますが、観客と一緒に楽しむ『マジックナポレオンズ』の見せ方と、一生懸命に演じているのに予想外の結果となってしまう見せ方とがあります。 
 いずれも不思議さを失くしては『吉本的』になってしまうので気をつけましょう。
 自己満足ではなくエンターテイナーに徹することが、あなたのコメディーマジックを成功に導くことでしょう。

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